カランメソッドの効果ってどうなの?セブ島留学で受講した感想を伝えます

注目の学習方法・カランメソッド

あなたは「カランメソッド」を知っていますか?

英語に興味を持った人なら名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんね。

カランメソッドとは英語学習法の1つです。
イギリスで開発され、世界35か国以上に広まっています。
ちなみに、カランメソッドの名前は、カランメソッドを確立したRobin Callan(ロビン・カラン)氏の名前から来ています。

カランメソッドの基本的なスタイルは、先生の質問に対して生徒が瞬時に回答するやりとりを繰り返すもの
ただし、先生は通常よりも速いスピードで質問を投げかけます。

生徒は神経を集中させて先生の言葉を聞く必要があります。

更に、瞬時に回答となる言葉を出すことも必要。
日本語であれこれ考えている猶予はもらえません。
しかも、正しい文章で回答することが求められるのです。

イメージとしては、「こう聞かれたら、こう返す」といったパターンを繰り返して体で覚えさせるような感じです。

カランメソッドの主な目的は、英語のパターンを認識させることと英語の処理スピードを早くすること
「英語脳」を徹底して鍛えるための学習法と言われています。

カランメソッドはこんな感じ

筆者はカランメソッドの正式認定校であるセブ島の語学学校へ留学経験があり、そこで約1か月間カランメソッドの授業を受けていました
ここでは私が体験した、カランメソッドの授業について紹介します。

授業の流れ

筆者の場合は1日1コマ、カランメソッドを行う授業がありました。

カランの授業では準備が整ったら、カランメソッドがスタート。

まずは先生が、これから行うやりとりの内容について、ザッと説明をしていきます。
この説明も結構速いスピードで行われるため、集中していないとよく理解できません。

説明が終わったら、すぐに質問が投げかけられます。
質問の内容は、レベルやカリキュラム、セクションによって様々です。

提示された絵を見て、「ドアは開いていますか?」といった質問がされたり。
先生がイスから立ち上がって、「私(先生)は、座っていますか?」といった質問がされたり。
「あなたは何人兄弟ですか?」といった、自分のことについて回答する質問がされたり。
「アルファベットの1番目の文字は何ですか」といった、文字や順番に関する質問がされたり。
「ブラウンさん(絵の登場人物)はどこに立っていますか?」といった位置関係を問われる質問がされたり。
などなど。

先生が質問を終えたら、すぐにその質問に対する回答を正しい文章で答えることが求められます。
慣れないうちは先生が正しい回答へと誘導してくれました。

基本的には1つ質問が終わったら、すぐに次の質問へ進みます。
同じ質問を連続して何度も繰り返しはしません。
ただし、間隔を置いた後に、復習のような形で同じ質問へ戻ってきます。

カランメソッドの授業中は、このような質問と回答がずっと続きます。
そのため、カランメソッドは通常の授業と比べて生徒が英語を口にする量は通常の約4倍とも言われています。

ちなみに、カランメソッドは基本的にテキストに沿って行われます。
先生は思いついた質問をしているのではなく、テキストに並べられた質問を生徒に行っているのです。
また生徒の回答についても、テキストの回答例をもとに行います。

なお、カランメソッドのメインは先生からの質問を受けて生徒が答える形式のものですが、それ以外にも次のようなものもありました。

1つはテキストの文章の読み上げです。
先生と生徒で行っていた質問と回答の文章を、テキストに沿って生徒1人ですべて読み上げていきます。

ディクテーション(書き取り)は、先生が読み上げる文章を聞き取ってノートに書いていくものです。
書き終わったら先生のチェックが入り、正確に聞き取れなかった箇所は添削されました。

とにかく疲れるカランメソッド

カランメソッドは口にする言葉の量が速くて多いです。
また、かなりの集中力が必要です。

そのため、通常の授業と比べると、授業後はどっと疲れます。
また、喉もカラカラになるので、飲み物は必須のアイテムです。

正直、朝一番の授業がカランメソッドだったら辛いですね。
まぁ、最後の授業がカランメソッドというのも辛いですけど。
1コマだけでも結構疲れるので、もし何コマも続けて受けるとなったら大変です。

実際のところ、生徒以上に先生のほうがさらに大変そうなんですが(笑)。

知識が使えてないことに気づく

私がカランメソッドを体験して気付いたのが、知識が身についてないという現状です。

カランメソッドでは正確な文章で回答することが求められます
「正確な文章で回答する」とは、例えば「Are you Japanese?」と聞かれた際に、「Yes.」だけでなく「Yes, I am」と答えるということです。

疑問文に対する正確な回答は学校教育の英語の授業で教わっています。
なので、知識としては知っていました。
でも、いざカランメソッドの授業の中で質問されると、「Yes」までは出てくるのですが、「I am」まではスッと口から出てきませんでした。

また、「a」や「the」といった冠詞の使い分けや、「my」「your」などの所有格を適切に名詞につけることなども求められます。

日本語では冠詞にあたるものがないこともあり、瞬時に適切な使い分けをすることはなかなか難しいです。
また、日本語のような感覚で、冠詞や所有格を抜かしてしまうことも珍しくありませんでした。

そういった経験をすることで、知ってはいても使える知識にはなっていないことが多かったことを実感したのです。

考える暇が与えられないカランメソッドの授業では、そういった面がより顕著になると感じました。

カランメソッドって効果あるの?

私はカランメソッドには一定の効果があると感じました。
ここからは、私は約1か月の留学生活で感じたカランメソッドの効果についてお伝えします。

体が覚えて瞬発力が上がる

カランメソッドの主な目的は、英語のパターンを認識させることと英語の処理スピードを早くすること。
その学習方法はハイスピードで質問の受け答えをさせるものです。

質問を聞いて答える。
これを何度も繰り返しているうちに、決まりきったパターンの回答については反応が早くなります

また、回答パターンを声に出すことにも慣れてきます。
発音の難しさなどによって最初は詰まることが多かった文章も、何度も繰り返しているうちにスムーズに口が動くようになっていくのです。

とにかくパターンを体に覚えさせるという意味では、カランメソッドには期待ができると感じました。

速い英語に慣れる

通常よりも速いスピードで先生がしゃべるカランメソッド。

正直、慣れないうちは何を言っているのか全然わかりません。
文章を聞き取るのにも一苦労ですし、さらにはその意味を理解するとなると相当大変です。

私は最初、先生がこれから質問する内容の説明をしていることすら理解しておらず、質問前に何かのおまじないでも言っているのかと思っていました(笑)。

でも、ある程度の期間カランメソッドを受けていると、徐々に慣れていきます
先生の発している言葉も聞き取れるようになっていきました。

他の授業のように先生がゆっくりとしゃべってくれれば、聞き取ることはできます。
でも、先生がゆっくりしゃべってくれることに甘えてしまうと、ゆっくりした英語しか聞き取れません。

速いスピードで投げかけられるカランメソッドを続けることは、否応なしに速い英語に慣れるきっかけとなります。

日本語で考えなくなる

カランメソッドの授業は、とにかくやり取りに慣れさせることを優先させているように感じました。

実際のところ、私は質問の意味合いをしっかりと理解することなく、機械的に回答を口にしていたことも多くありました。

ちゃんと意味を理解せずに機械的に回答だけしてもいいのでしょうか?

実は、意外とそれでいいのではないかと感じました。

もちろん、ちゃんと先生の質問の意味を理解したうえで回答できるに越したことはありません。
でも、ちゃんと理解しようとすると、どうしても日本語で考えてしまいます。

英語の質問だけを認識して、それに対応する英語の文章を口に出す。
考える時間を与えられずに回答を求められるということは、「英語を英語のままとらえて英語で返す」訓練になっていると感じます。

カランメソッドを受講したことで、英語を英語のままとらえることを意識するようになりました。

カランメソッドって効果あるの?

私はカランメソッドを体験して、英語学習に一定の効果が期待できると思いました。

極端に言ってしまえば、意味も分からずに見聞きしたことに反応しながら成長する子どもの過程を体験しているような感じでしょうか。

私たちは小さい頃、意味が理解できないまま言葉を見聞きしていました。
親の言葉に対しても、トンチンカンな応答をしていた時期もあったでしょう。

そんな時期を経て子どもは徐々に自分の周りの言葉の意味を理解し、正しい応答を学んでいく。
ある意味、カランメソッドはそんな子どもの時期のような形で英語を覚えていくように感じました。

もちろん、カランメソッドだけを行えば英語がマスターできるものではないでしょう。
また、1週間やそこらで成果が出るわけではないので、地道に継続して取り組む忍耐も必要。
ただ漠然と行うのではなく、本人が英語を学ぼうとする意識も大切です。

カランメソッドは魔法ではありません
しかしながらセブ島のある語学学校によって、大学生を対象に行ったカランメソッドの特訓講座(80時間)によって、調査対象学生のTOEIC平均点が110点上がったというデータも公表されています。

まじめに取り組むことで一定の成果が出る学習法だといえるのではないでしょうか。

セブ島にはカランメソッドを実施している語学学校もあります。
カランメソッドに興味のある方は、カランメソッドの正式提携している語学学校を選択することをおススメします。

カランメソッド